2/08/2010

【書評】Googleの正体ーーー牧野武文



「Googleはなぜ、利益の出ないサービスを開発するのか」という問いは誰しもが思うことだ。そんな疑問に本書は明快に答えてくれる。

Googleについて考えるときにいつも思うのが、「インターネットを使う人が増えれば増えるほど、Googleは成長する。Googleの成長がさらにインターネット人口を増やし、それによってさらにGoogleは成長し・・・」という好循環を(結果的にであるが)作り出したことがGoogleの秀逸さである、ということだ。

地球上でインターネットを使う人は、いま現在全人類の半分以下であり、ほとんどの人は先進国に住んでいる。新興国などに住むその他の大勢の人々のための、AndroidでありChromeOSなのだ。先進国ではどうしても対Microsoftや対Appleという軸でGoogleを見がちだが、まだインターネットに触れていない人々をターゲットにしているとなればGoogleのサービス全てが理にかなっていることが理解出来る。

これまでも色々Google本は読んできたが、「外から見た」本としては本書の完成度は高いし、読みやすい。一方で「内から見た」Googleを知りたければ「プラネット・グーグル」をお薦めする。