1/06/2010
【書評】フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
理論経済学では、完全競争下では価格は「限界費用」まで下がることを知る。アトム(原子)の世界では製品の価格は限界費用で下げ止まるため、フリーはマーケティング手法の一つだった。その代表例がジレット・モデルだ。そして、インターネットが登場しビット(情報)が潤沢になると限界費用はほぼゼロに等しくなるため、新たな「フリーミアム」モデルや「非貨幣経済」が登場した。
350ぺージにも及ぶ非常に長い本だが、「フリー」の歴史や例、誤解まで様々な要素が詰め込まれていて中身は濃い。持ち歩くのは大変だが、ビジネスマンだけでなく多くの人が読むべき本だと思う。この日本でフリーに関わらない人など、誰もいないのだから。
全て読む時間がなければ、第16章の「フリーに対する疑念あれこれ」と巻末付録①の「無料のルール」を読むといい。おそらく自分も、再び本書を開くときはまずはこの2つを読むだろう。