11/15/2009

【書評】3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代



これから、自分と同世代の若者が戦わなければならないものは間違いなく「既得権」だ。しかしそれは、既得権を得ている層を引き摺り下ろすのではなく、自分達がその価値感に染まることを避ける戦いである。

それは気持ちの話ではなく、構造の問題だ。最低賃金の引き上げや、製造業派遣の原則禁止などの小手先の政策ではなく、同一労働同一賃金や職能給へのシフトによって構造を変えなくてはならない。

また、本書でも指摘されているように左派政党などのメディアのスケープゴート論にも騙されてはいけない。共産党の存在意義である労使闘争はもはや昭和の思い出なのだ。