11/26/2009

【書評】なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学



池尾和人氏と池田信夫氏の対談形式で、金融危機と不況について冷静で中立的な議論(ほとんど池尾氏の解説)が進められている。
冷静で中立的というところが肝心で、今回の金融危機をテーマにした本は色々と出版されているが、感情的で勧善懲悪のトーンで話が進むパターンが非常に多いと思う。

ウォール街のインベンストメントバンカー達の罪状をただ読み上げるだけなのは、それはそれで必要かもしれないが自分は読みたいとは思わない。(そもそも、読みたい人が読むのが本というものだが)

この本は結論として、
競争力の強い輸出産業と、競争力の弱い国内の非製造業の生産性の格差が拡大していることが日本経済の最大の問題
としている。その解決のために、
解雇規制の緩和・資本市場の充実が必要
と説く。もちろん、これをした後にくるのはさらなる競争社会だ。