10月26日(月)の日経新聞の「経営の視点」という連載コーナーに、小売業の常識を破る内容が載っていた。それは小売業における「規模の追求」は単純にコスト削減&低価格化にはつながらない、というものだった。
その構図はこうだ。
●基本的には、規模による仕入れでコストが下がり、低価格を実現する。
●しかし、そもそも小売は製造から流通までの流通段階で利ざやが薄くなり川下での劇的な価格引き下げは困難である。
●巨大化すると人件費などの組織運営コストが肥大化する。
●結果的に、規模による仕入れで得たわずかな利益をオペレーションコストが食いつぶす。
この構図の象徴がイトーヨーカ堂の営業赤字で、逆にこの構造に逆らっているのがユニクロやカインズなどだ。
ユニクロなどは、川上に自ら攻め込み、マーケティングの嗅覚も培っている。
「規模拡大」志向は良いとも悪いとも言えない。ただ、「規模を拡大すればいい」志向は間違いだ。それによって失うものを過小評価してしまっている。