11/18/2009
【書評】親子就活 親の悩み、子どものホンネ
現代の就職活動における親と子のリアルーーー読んでいてココは我が家と同じ、ココは我が家とは違う、など色々感じた。後者の方が多かった(そう思いたいバイアスが掛かっているとも思う)が、一方で40代~60代の親世代の価値観からも自分の価値観は離れていた。
自分の経験から言えば、高校受験・大学受験・就職活動などの「進活」や「就活」において両親から押し付けられたことはほとんどなかった。また、高校時代・大学時代の学校の友人を見てもそのような人達は少なかった。それが「普通」だったのは、もしかしたら大学においても就職先においても親もよく知っている、いわゆる有名大学・有名企業だったからなのかもしれない。
親から進路についての「押し付け」は皆無でも、多大な「支援」は逆に普通以上に受け取っていたと思う。3人兄弟で3人とも私立の幼稚園・小学校・高校・大学まで通ったという客観的事実から観ても、資金面での支援は非常に大きかった。それでいて、親はほとんど口出ししてこないのだから、今更ながらなんて自分は恵まれた家庭に育っているんだと痛感する。
本書では、「親と子の距離感」についての著者の考え方が記されている。一番心に残ったのは、「辛そうな子どもが不憫なのではなく、辛そうな子どもの姿を見ている自分が辛いだけではないのか」という言葉だが、この言葉こそ現代の親と子の距離感を象徴している。