ビジネスマンのための本によく「他の人と関わってやるのが仕事で、自分ひとりでやるのは作業」と書いてあるのを目にする。初めて聞いたときはなかなか上手い言い方だなと思ったが、何が仕事で何が作業なのかを分けることは様々な場面で有用だ。
例えば飲食店。飲食店にはホール(お客さんが食事をするところ)とキッチン(料理を作るところ)がある。ここではホールでするのが仕事で、キッチンでするのが作業と言える。これは場所というより「お客さんが関わること」が仕事であり、キッチンで行われることはその仕事のための作業なのだ。「仕事はホールにある」とも言い換えられる。
美辞麗句にも聞こえるが、飲食店で働く人(アルバイトの自分も含めて)には戒めの言葉だと思う。飲食店で働くと、つい作業に気をとられてしまうのだ。
作業の効率化や丁寧さはもちろん重要だ。素早く美味しい料理を出すことは飲食店の使命だが、作業はあくまでも作業であり仕事に優先されるものではない。