12/15/2009
【書評】インドの衝撃
良くも悪くもNHKの取材本である。統計データなどのグラフはないため、全体像は掴みにくい。そもそもインドのような国では人口さえも正確なデータがなく、11億人という公式の数字も「あと1~2億人いる」とさえ言われるくらいなのだが。
良いと思ったのは、ドキュメンタリー番組を本にしてある「人々のリアルな暮らし」が分かること。また、取材班の日記の要素も強く人々を取り巻く環境や、日本人が持ちやすい先入観も併記されている。
逆に悪いのが、一部の人々の話に偏っていて全体像が見えないことだ。やはり、定量的な統計データがないと説得力に限界が出てくる。
また、これは本の内容の巧拙の問題ではないがこの本が出版されたのは2年以上前で、内容は2006年までが中心だ。この本を読んだだけでも、その時点から現在までにも様々なトピックがあることは間違いない(タタ自動車のナノの話、など)。続編も出ているようなので、読んでみようと思うが、続編だけでなく様々な書籍も読もうと思う。
この本は約320ページあるが、2日で読み終わった。他の本も読みながらなので、読書のスピードが上がってきたことを実感している。