12/10/2009

【書評】プラネット・グーグル



Google本は結構読んできたが、本書はGoolgle誕生から08年夏までの軌跡をGoogle内部から見て記したものであり、外から見て書いているものではない。

そしてGoogleに肩入れせず、客観的に書いてあるところが秀逸だ。賛美するわけでもなく、批判もしない。著作権やプライバシーに関する問題も、例えば「エリック・シュミットは~~と考え、スティーブ・バルマーは~~と言った」などのように第三者として書かれている。

また、米国人が書いている本なので、当然だが舞台は米国だ。日本の企業も日本人も全く登場しない。ブックサーチの話で慶応大学が登場するくらいしか日本人に身近なことはないので、読むのに時間がかかってしまった。

本書で一番印象的だったのが、「未熟な技術で我々のプライバシーが守られている」という話だ。
ストリートビューは日本でもかなり物議を醸したが、私たちが今まで公共の道路を見ても見られていないと感じていたのは撮影するカメラがなくそれを見る技術がなかっただけのことなのだ。
この話は、今後も様々な技術が世の中に出てくることによって、技術がなかっただけの問題が物議を醸すことを示唆しているのだ。