12/11/2009

【書評】東京が駄目なら上海があるさ



この本は少し前に父親から貰った本。最近は経済学や実証研究などの本ばかりを読んでいたので、こういったよく言えばシンプルで悪く言えばアバウトな考えの本は新鮮で面白かった。
すべての内容が邱永漢氏の感性で半ば殴り書きされているので、統計データなどは全く出てこないが、だからと言ってトンチンカンなことを述べている訳ではなく、しっかり的を得ている。

内容は邱永漢氏の「金・場所・仕事」論。タイトルからすると東京・上海の2都市を比較しているように考えるが、このタイトルはあくまでも「例え」で「お金儲けのためには場所を変えろ、ついでに仕事も変えろ」ということだ。

「仕事」論の中で「価格決定権のない商売はやるな」という話がある。言われてみれば当たり前のように聞こえるが、自分の商売を考える(≒就活で企業を選ぶ)ときに「価格決定権」を考慮しない人は結構多いと思う。
この本をくれた父親も外資系の企業を自分に勧めなかったのは、外国企業の日本支社には価格も含めた「決定権」がないからだろう。