10/28/2009
【書評】若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
およそ3年前に流行った本書を読んでみた。この本が売れた大きな要因の一つはタイトルのセンスだと思うが、内容は「年功序列制度の限界」だ。
中高年が自分の既得権を守るために、これから雇用される若者の未来を踏み潰しているというのは初めて耳にすることではない。本書では年功序列制度を頑なに守り続けることを悪とし、若者の感情に訴えている側面も見受けられるが、中高年が既得権を守ることは自身の経済合理性から言って「当たり前」だ。
問題は中高年が既得権を守ることによって生産性を失ったゾンビ企業が政府支援などによって延命されることによって、外からも既得権が保護されてしまうことにあると思う。