ウィニー開発者に逆転無罪・・・NIKKEI NET
Winnyの開発者に大阪高裁が逆転無罪判決を下した。この問題は米国での銃規制と関連して考えられる問題だと思う。一審での判決が出たときか、逮捕されたときか忘れたが、とあるブログで「Winnyは包丁なのか、拳銃なのか」という観点から考察したエントリーがあった。簡単に言うと、「包丁と考えれば、料理をするという目的で作られているが、人間を傷つけることにも使える」
「拳銃と考えれば、もともと人間を傷つけるために作られ、人間を傷つけることのみに使う」
という視点だ。このブロガーの方は「後者であり、クロだと思う。」と書いていた記憶がある。
この点をもう一歩進めて考えてみる。拳銃だと考えた場合、次には「作った人(≒拳銃そのもの)が悪いのか」「使う人が悪いのか」という問題に当たる。ここが米国の銃規制と共通する問題で、米国では銃規制賛成派は前者で「銃が人を傷つける」と主張し、反対派(全米ライフル協会など)は「十ではなく、人が人を傷つける」と主張する。この疑問の答えは人によって違うだろう。(銃が規制されている日本では、前者の立場が多いと思うが。)
今回の判決では
「著作権を侵害する用途に利用される可能性を認識していただけでは、ほう助犯は成立しない」
とした。Winnyを拳銃だと解釈しても、
「人を傷つける可能性を認識して拳銃を開発するのは、傷害or殺人事件を手助けしたことにはならない」
ということだ。
この問題は非常に難しく、自分の中でもまだ全体最適となる答えを見つけることが出来ていない。そもそも、拳銃はリアルで扱うものだが、Winnyはソフトウェアなので複製し不特定多数に配ることが容易だ。著作権という権利やそれを守る法律が現代のデジタル・ネット社会と噛み合っていないということも、問題を複雑にしている。
色々な文献・事例を通じながら、これからも考えていきたい。