10/11/2009
【書評】金融大統合時代のリテール戦略―銀行・証券・生保・カードがひとつになる
父から著者の講演の資料を見せてもらったので、理解を深めるために読んでみた。著者は日銀出身なので本書でも「銀行」からの視点が貫かれている。そのため、欧米の銀行に関する知識は豊富だ。
いま日本の銀行、主に3メガバンクのリテールは岐路に立たされていると感じる。規制緩和が進み、投信・保険が販売出来るようになった後は、顧客(富裕層)の奪い合いになる。これは、端末に対する新しいキラーアプリケーションがなくなり、普及台数も頭打ちになって顧客を奪い合っている携帯電話業界と相似している感がある。携帯業界はただ純増数を増やすことが至上命題になってしまい泥仕合になっているが、銀行業界も泥仕合にならないためには、著者が言う「カスタマーパフォーマンス」を争うようにならなければならないだろう。