10/09/2009

【書評】超ガラパゴス戦略―日本が世界で勝つ価値創出の仕掛け



正直言って、なんでアマゾンでこんなに評価が高いのか分からない。自分の頭が弱くネガティブなのか、アマゾンに書評を投稿している方と評価の軸が違うのか。

というわけで、読んでもスッキリしない内容だった。供給サイドから見た話や、希望的観測が多く、首をかしげながら読んでしまった。例えば、「日本の製品はもっと評価されてもいい」というのは日本人には勇気を与えるかもしれないが、これは所詮「供給サイドの願望」でしかない。シェフが最高の食材を使って一生懸命頑張って作った料理が不味かったときに「もっと評価すべき」と第三者が言っても「その通りだ」と思う消費者はいない。最高の製品が一番評価されるのではなく、一番評価されたものが最高の製品なのだ。
また、「日本の消費者は世界で一番品質に対して目が肥えている」という前提がしばしば使われているが、なぜ日本でこれが定説化しているのだろうか。「そう思いたい」とみんなが思っていた感覚が、いつの間にか既成事実化しただけではないか。直感的に平均的な日本人が品質にうるさくないとは思わないが、これは「ものつくり信仰」と同じで非常に危険な定説だ。