昨日、友人の卒論の話の中で「テレビ業界ではコンテンツを消費する視聴者から料金を取らず、広告主から広告収入を受け取るビジネスモデルが正しいという神話がある」という話が出た。つまり、「現実」が「最適な答え」になるとは限らない、という話だ。もちろん、視聴者から視聴料を取れば視聴者が減り、広告効果も減少して広告収入も減るだろうから、単純に視聴者から料金を徴収すればいい、ということにはならないが、「当たり前のビジネスモデル」は一度疑ってみるのは非常に面白い。
「当たり前」といえば、JALの再建問題では前原国交相が「破綻などということはあってはならない」と発言していたが、本当にそうなのだろうか?当然、航空行政を担う国交省のトップとして日本のフラッグシップキャリアを「破綻もありかも」とは言えないだろうが、このような発言が出てくる背景には「JALだから」というより「大企業だから」という考えが強いのではないか。
「大企業は潰したら影響が大きそうだから、公的資金を注入したり、ちょっとリストラしたりして延命させるのが一番」という当たり前が日本にある気がする。ビジネスモデルが周回遅れのゾンビ大企業が、優秀な学生を(大企業という)ブランドで吸い寄せ、(潰れないから)金融機関からも融資を受け続けられる状況は日本全体を世界の潮流から周回遅れにしかねない。