最近、自分の周りで「ソニーよりパナソニックが好き」という人の声を何度か聞いた。もちろん、企業自体ではなくパナソニックの製品が好き、ということである。Blu-rayレコーダーのシェアでもパナソニックがソニーを抜いて首位に立った。
パナソニックとソニー、両社とも日本を代表する電機メーカーだが、自分の周りの人々の発言は何を意味するのだろうか。おそらく、ソニーの「エンターテインメント性」「先進性」には魅力を感じず、「生活家電」として身近なパナソニックを信頼しているのだろう。
ソニーの「WALKMAN」よりアップルの「iPod」、「PS3」より任天堂の「Wii」、「PSP」より「DS」、とソニーの製品を使うことのブランド価値が2000年以降に相対的に薄れ、薄型TVやPCでも数多くのブランドの中に埋もれてしまっている。
一方、パナソニックはこれといった代表ブランドを有している訳ではないが、ソニーと違って負けてはいない。大ヒット製品があるわけではないが、他のメーカーに負けているという印象もない。
ある製品をブーム的に一気売るわけではなく、着実にコツコツ売っていく。一発屋ではなく、コンスタントに売れるロングセラーを目指す。そうやって消費者の信頼を得ていく。こんな視点が様々な場面で有益な示唆を与えてくれる。