10/06/2009

【書評】ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層



まず、ラーメン屋とマクドナルドに関する深い洞察は一切ない。手にとってもらいやすいタイトルを付けただけだろう。新書はサイズも色も同じだから、タイトルがマーケティング上重要だ。そのタイトルにまんまと引っ掛かって買ってしまったが、内容は多岐に渡り興味深かった。日米の比較は色々なところでされているから、全てが目新しいわけではないが、元銀行員・現エコノミストであるがゆえに、著者の経済・金融に関する考察は鋭い。

とくに、合理的に消費者を選別する米国のリーテイル・ビジネス・モデルと、公平こそよしとする日本のそれの比較は、最終的には哲学の問題になると思うが、今までの商慣行だけでどちらかに固執することは避けなくてはならない。